売主様が住まいの売却を任せる不動産会社を決定すると、売主様とその不動産会社が話し合って物件の売り出し価格を決め、いざ、住まいを売りに出します。そうして実際に売り出された後、実は、物件の売り出し価格を変更することがあるのです。それはどういった場合に起こり、どんな理由があるのかをお話していきましょう。

 

売主様も不動産会社も「早く売りたい！」

 

基本的に売主様から「この家を売ってください」と任せていただく媒介契約の期間は3カ月間です。不動産会社はその3カ月の間に、なんとか買主様を見つけて売却を成功させたい、と考えています。そのため、不動産会社は売主様の希望も聞きながら相場にあった売り出し価格を提示します。

 

不動産会社は、媒介契約を結んでいる物件の近くで売り出されている他の物件の値段や過去の成約事例などから売り出し価格を算出します。売り出し価格は「2,300万円から2,500万円くらい」といったように、だいたい200万円ほどの幅が持たされていることが多く、売主様が「価格を少しチャレンジしてみたい」と希望すれば上限の2,500万円、逆に「とにかく早く売ってほしい」とのことであれば堅実な2,300万円という価格を設定します。※この幅は物件価格により、上下します。

 

いずれにせよ、せっかく3カ月間の媒介契約を結んで販売活動を一生懸命頑張っても、期間内に売れず、次の媒介契約をほかの不動産会社に取られてしまった、なんていうことになってしまっては元も子もありません。したがって不動産会社は、契約期間内での売却が期待できるような現実的な金額を提案しているというわけです。

 

値下げの可能性を前以って説明する

 

「物件の売り出し価格は、相場と売主様の希望によって決定する」とお話ししました。では、売り出し中の価格の変更はどのように決められるのでしょうか。

 

まず、3カ月という期間内に買い手が付きそうなだいたいの値段のラインを決めます。そして、売主様から「チャレンジ価格でやりたい」という希望があったとき、「では、堅実な価格設定より100万円～200万円高い値段で売り出してみましょう」という話になります。

 

ここで大切なのは、「ただし、1カ月ほど様子をみて、問い合わせや内見数などが少ないようであれば値下げをしましょう」ということを、あらかじめ不動産会社が売主様にお伝えしておくことです。

 

媒介契約を結ぶのに必死で「売主様の希望通りの価格でやりましょう！」と言っておきながら、いざ蓋を開けてみたところ、1カ月もたたずに「やっぱり駄目だったので値下げしましょう」ということでは、売主様は不動産会社に対して不信感を抱いてしまうことでしょう。

 

いったん売り出し価格が決まった後でも、売り出してみて反応がイマイチの場合は売主様と相談をして納得してもらい、金額を変更するのは珍しいことではありません。そして、はじめから価格を値下げする可能性や、その方法について説明をするのが誠実で信頼できる不動産会社であるといえます。

 

誠実な不動産会社の選び方

 

不動産市場には「相場」があり、実際のところ、ほとんどの取引は相場の上下数百万円といった範囲の中で成立しています。そして、不動産の価格決定には幅があること、途中で値下げをした方がいい場合があることなどを認識した上で、ご自身が信頼できると思った不動産会社を選ぶことで気持ちよくお取引ができるはずです。

 

物件を売却するときは大きなお金が動くこともあり、良い不動産会社を選びたいところです。しかし、不動産会社によって対応や価格などいろいろなところでばらつきがあるのも事実。そこで、頼れる不動産会社を「査定」で選ぶ際にこんな方法もありますので、ご紹介しましょう。

 

まず、一括査定で5～6社ほどに見積もりを依頼します。そこで一番高い査定額と一番低い査定額を提示してきた2つの会社を外してしまうのです。査定額が一番高い会社は金額で売主様の目を引こうとしているのが見え見えで、逆に査定額が一番低い会社は業者への販売目的であることが多いからです。あとは、残った3～4社の中から、雰囲気や担当者との相性などがご自身に合う会社を選んで下さい。

 

弊社ではセカンドオピニオンの査定を無料で承っています。現状に疑問や不満を感じている売主様、ぜひ一度ご相談ください。