現在お持ちのマンションを人に貸していて、そのマンションを売りたいと思った時、それは可能なのかどうか。また、人に貸しているマンションの売却にはどのような方法が存在するのか。今回は賃貸マンションの売却について、注意すべき点などを含めてお話ししていきます。

 

賃貸マンションを売る2つの方法

 

「貸し出しているマンションを売りたい！」となった場合、大きく2種類の方法があります。まずひとつは、貸し出しているマンションの借主様が退去するタイミングで売りに出すという方法。もうひとつは、借主様に貸している状態のまま、そこを投資用物件として売りに出す「オーナーチェンジ」という方法です。

 

そもそも貸し出しているマンションを売るというのは、普通の不動産売買に比べてやや難易度は高くなります。なぜなら、売りたいと思ったタイミングでマンションの借主様が都合よく出て行ってくれるとは限らないからです。

 

また、お持ちの物件が大きなマンションの中のひと部屋だった場合、他の部屋も売りに出てしまっていることがあります。そうなると、価格で勝負せざるを得ない状況に陥ってしまいます。

 

したがって、賃貸マンションの売却では「タイミング」が非常に重要になります。特に、この「借主様の退去」というのが大きな問題となってきます。「貸しているだけなのだから、売りたくなったら借主さんに出て行ってもらうように交渉すればよいのでは？」と思う方もいるかもしれません。しかし、そういう訳にはいかないのです。

 

もちろん、初めからそのような内容の契約を交わしていれば、なんの問題もありません。（定期借家契約）ところが、一般的にマンションを貸し出す際に借主様と結ぶ「借家契約（普通借家契約）」では、借主様の方の権利が強く守られていて、「建物が老朽化していて住むのが物理的に厳しい」など、よほどの理由でない限り、貸主様の方から退去を促すということはできないことになっているのです。

 

貸主様が交代する「オーナーチェンジ」

 

「貸し出しているマンションを売りたいけれど、まだ借主さんが退去する予定がない」という場合は、２つめの「オーナーチェンジ」という方法を活用すれば売却が可能になります。

 

オーナーチェンジとは、「借主様にはそのまま借りてもらっている状態で売りに出し、物件の新しい買い手（オーナー）を見つける」という意味です。この場合、マンションの売買が成立しても部屋には変わらずに借主様が住んでいる状態のままとなるため、新しい買主様がそこに住むことはできません。

 

つまり、新しい買主様は家賃収入を得るための「投資用物件」としてマンションを購入するわけです。この方法だと借主様も退去する必要がありませんし、貸主様も売りたいときに売ることができます。

 

とても良い方法に思えるオーナーチェンジですが、実はデメリットも存在します。デメリットはズバリ、物件の価格が相場よりも低い取引価格になってしまうということ。つまり、売主様が損をしてしまう可能性が高いのです。

 

それは、居住用物件を探しているお客さまよりも投資用物件を探しているお客様のほうが少ないこと、また、投資家が期待するような収益額に及ばないことが多く買い手がつきづらいこと、加えて、投資用物件のため購入の際に住宅ローンやその他の控除が使えない、などといった理由から、物件価格を値切られる可能性が高くなるためです。

 

これらの理由から、オーナーチェンジは積極的にお勧めできる方法とは言えません。そのため、借主様の退去の予定がない場合、「本当に今売らなければならないのか」をもう一度考えていただくようにアドバイスしています。

 

売主様がなるべく損をしないように賃貸マンションを売却するためには、通常の不動産売却よりもさらにしっかりとそのタイミングや方法を見定めることが大切になります。したがって、売買に関する知識が豊富にある不動産会社に賃貸マンションの売却を任せることをおすすめします。

 

弊社ではセカンドオピニオンの相談を無料で承っています。現状に疑問や不満を感じている売主様、是非一度ご相談ください。