親が亡くなって相続した不動産をすぐに売ることは可能?
「不動産を売る」というのは、当然ですが大前提としてその不動産が自分のものであること。そうでなければ他人に売ることはできません。もし、親御さんから相続した不動産がご自身の名義になっているのであれば、すぐにでも売ることが出来ます。しかし、その不動産の名義が書き換わっていなければ、まずは「自分のものにする」手続きが必要になるのです。
公的な遺言書を前々から準備しておく
相続において一番スムーズに手続きが進むのは公的な遺言書がある場合です。もし遺言書があり、そこに「不動産は〇〇に譲る」と書かれていれば、指名された相続人の名義に不動産を登記し直せば、すぐにその物件を売りに出すことができます。ここで重要なのはその遺言書が「法的に効力がある」遺言書かどうか、ということです。
遺言書は大きく分けて3種類あります。「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3つです。どれも決められた様式やルールがあり、なかなかそれにきちんと則っている遺言書は少ないのが事実です。定められた細かな規則に則っていない遺言書は「法的な効力がない」と見なされてしまい、なかには、せっかく遺言書を用意しても役に立たなかったというケースは少なくありません。
相続の際に揉め事を避けるためにも、遺言書の内容などについては前もって親御さんに加え相続権のある家族・親せきとともに話し合いをしておくのが望ましいでしょう。特に、不動産などの大きな資産を持っている場合はなおさらです。
遺言書がない場合は遺産分割協議が必要
では、相続をする際に公的な遺言書がない場合はどうなるのでしょうか。その場合は「遺産分割協議」と「相続登記」を行わなければなりません。親御さんなど、被相続人が遺した不動産をはじめとした財産をどうするのか、だれが相続するのかといった内容を、兄弟など相続人全員で話し合って決定するのです。
遺産分割協議に先立って、まず誰が「相続人」なのか、また、何人いるのかといったことを調べます。相続人とは遺産を相続する権利を持つ人のことで、基本的には亡くなった人(被相続人)の子供や兄弟などを指すことが多くなります。亡くなった人の戸籍を取り寄せて、実の子供の人数や、さらには前妻との子、他に認知した子がいないかどうかをきちんと調べます。(万が一いた場合には、その人たちも相続人となります。)
この相続人を特定する作業には手間がかかるため、3カ月以上の月日を費やすことも珍しくありません。こうしてやっと相続人が特定されたあとは、「不動産の名義は誰にするか」「一人が相続するのか、相続人全員の共有持ち分とするのか」などについて、遺産分割協議で話し合い、各人の割り当てを確定し、相続登記を行います。
相続登記には、必ず相続人全員の同意と署名捺印が必要です。もし、遠く離れた場所に住む相続人がいたとしたら、書類を郵送したりなどして署名と捺印をもらわなければならないため大変な手間と労力がかかります。このようにして、ようやく自分が相続すると決まったら名義変更の登記をして不動産を「自分のもの」とし、ここではじめて売りに出すことが出来るのです。
また、「昔、相続していた土地を売ろう」と思い立ち、調べてみたらその土地が共同名義になっていた、というのもよくあるケースです。こうした場合も売却には名義人全員の同意が不可欠なので、遺産分割協議と同様の手間と時間がかかるという覚悟が必要になります。
相続関係の相談は多くの場合、専門の知識が必要になってくるため、司法書士や弁護士、税理士、行政書士などの資格を持つ士業の先生に依頼します。加えて、相続した不動産の売却は、税金の優遇措置が受けられることもありますから、相続関係の不動産取引はその分野に強い不動産会社に相談するのがお勧めです。
弊社ではセカンドオピニオンの相談を無料で承っております。現状に不安や不満を感じている売主様は是非一度ご相談ください。どんな些細なことでも大歓迎です。
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