不動産会社の販売活動、その実態とは?(1)
Q:媒介契約を結んだ不動産会社が行う販売活動の内容を教えてください。
売主様から「この不動産を売却してください」とお任せいただくと、私たち不動産会社は、その大切な不動産を売るために「販売活動」を開始します。皆さまはこの販売活動、具体的に不動産会社がどんなことをしているのかご存じでしょうか。
「どの会社に住まいの売却を任せようか」と考えている売主様にとって、不動産会社が提示する査定金額は目に見えてわかりやすく、大切なポイントでもあります。それと同じくらい、もしくはそれ以上に大切となるのが不動産会社が取り組む販売活動です。しかし、この販売活動は査定金額と異なりなかなかその実態がわかりにくいのも事実。そこで今回は、販売活動とは実際どのようなことをするのかについて、お話していきましょう。
その1 ポータルサイトや自社のホームページ
販売活動にもいくつかの方法があります。その代表的なものが「ポータルサイトや自社のホームページに物件の情報を掲載する」という方法です。不動産会社は、お預かりした物件を多くの人に見てもらえるようにインターネットに情報を掲載します。その際に利用するのが「ポータルサイト」です。
ポータルサイトとは、まず始めに閲覧されるような、検索する人にとっての入口となるサイトのことです。不動産なら具体的には「スーモ(SUUMO)」「ホームズ(HOME’S)」「アットホーム」「CHINTAI」などがそれにあたります。
不動産会社は、なるべく多くの人に物件の情報を知ってもらうために、これらのサイトに利用料を支払って情報を掲載します。ちなみにこの掲載料金、ポータルサイトによってさまざまですが、だいたい初期費用(入会金や設定費用)の3万~5万円に加え、1物件あたり5,000円~1万円/月といった金額が多いようです。
物件の情報はポータルサイトだけでなく、自社のホームページにも掲載します。ポータルサイトで「これ、良さそう!」と物件を見つけてくれたお客様は、情報元の不動産会社を特定し、今度はその不動産会社のホームページで物件を吟味するからです。
ポータルサイトをきっかけに自社のホームページに来てもらい、物件だけでなく不動産会社自身についても知ってもらう大きなチャンスだけに、不動産会社としては“頑張りどころ”と言えます。媒介契約を結ぶ会社を検討している売主様は、自社のホームページがきちんと更新されているか、他のSNS等の媒体も積極的に使って自社をアピールしているかなどの点についてチェックすることをお勧めします。
その2 チラシのポスティングや折り込みチラシ
いまやインターネットが主流になった販売活動ですが、チラシを活用した物件の売り込みも健在です。実際、不動産会社でチラシを作成し、対象となるエリアに営業マンが配って歩くスタイルは、少し前まで盛んに行われていた販売活動のひとつでした。しかし、チラシの部数はかなり絞られ、少なくなっているのが現状です。
チラシのポスティングとともに多く行われていたのが、チラシの新聞折り込みです。しかし、こちらもポスティングと同様に、現在ではあまり主流のやり方とは言えなくなりました。以前に比べて新聞を購読している人が減少し、効果があまり期待できなくなったことに加え、広告費が高額なことがその理由です。
とはいえ、不動産は、その地域のことをまったく知らないような人が突然購入するよりも、その街の良さや環境、雰囲気をよく知っている近隣の人が購入する確率が高いもの。一見、時代遅れのように見えるチラシのポスティングなども、地域にお住まいの人にアピールする方法としては有効だと言えるでしょう。
住まいを売りたいと考えている売主様は是非、不動産会社にチラシの作成について聞いてみてください。その会社がどのような考えに基づいて販売活動を行っているのかがわかるはずです。
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